猫と暮らしていると、爪とぎで一生懸命に爪を研いでいる姿を見かけることがあります。
一方で、「どうして猫は爪とぎをするの?」「爪とぎはどこに置けばいい?」「せっかく爪とぎを用意したのに、家具でも研いでしまう」と疑問や悩みを感じている方もいるのではないでしょうか。
猫にとって爪とぎは、古い爪の外側を取り除くだけではなく、マーキングやストレッチなどの意味を持つ自然な行動です。そのため、爪とぎそのものをやめさせるのではなく、猫が爪を研ぎやすい環境を整えてあげることが大切です。
我が家では、3匹の猫「たま・とび・むた」と暮らしており、キャットタワー・トイレ横・脱衣所の3か所に爪とぎを設置しています。
3匹とも用意した爪とぎを使っていますが、それだけではありません。たまは畳とリビングの境目にあるサッシ付近、とびは私のズボンの上、むたは座椅子の背面でも爪とぎをしています。
この記事では、猫が爪とぎをする5つの理由をはじめ、爪とぎの置き場所や選び方、家具など爪とぎ以外の場所で研ぐときに考えたい対策について、我が家の実体験も交えながら紹介します。
これから猫を迎えるために必要なものを準備している方は、爪とぎ以外の猫用品についても以下の記事でまとめています。
猫はなぜ爪とぎをする?知っておきたい5つの理由
猫が爪とぎをするのは、単に爪を短くするためではありません。
古くなった爪の外側を取り除いたり、自分の存在を示したり、気持ちを落ち着かせたりするなど、猫にとって爪とぎにはさまざまな意味があります。
爪とぎは猫の本能からくる自然な行動です。まずは、猫がなぜ爪とぎをするのか、主な5つの理由を見ていきましょう。
①古くなった爪の外側を取り除くため
猫の爪は、人の爪とは構造が異なり、何層にも重なっています。
爪とぎをすることで、外側の古くなった層をはがし、その下にある新しい爪を出しています。
そのため、猫が爪とぎをしていても「爪を短く削っている」というわけではありません。爪とぎをしている猫でも爪先は伸びるため、必要に応じて爪切りも行います。
猫の爪切りが初めてで「どこまで切ればいい?」「嫌がるときはどうする?」と迷っている方は、以下の記事で爪切りの頻度や切る位置、基本的なやり方を5ステップで紹介しています。
猫の爪切り初心者向け5ステップ|切る位置や嫌がるときの対処法
②自分のにおいや爪痕を残すため
猫の爪とぎには、マーキングの意味もあります。
爪を研いだ場所に爪痕を残すだけでなく、肉球付近から出るにおいを付けることで、自分の存在を示す行動のひとつと考えられています。
そのため、猫にとって爪とぎは爪のお手入れだけではなく、周囲に自分の情報を残すための行動でもあります。
③体を伸ばしてストレッチするため
猫が爪とぎをするとき、前足を伸ばして体をぐーっと伸ばしている姿を見ることがあります。
特に縦型の爪とぎでは、爪を引っかけながら前足や背中などを大きく伸ばせます。
このように、爪とぎは爪のお手入れだけでなく、体を伸ばす行動にもつながっています。
④気持ちを落ち着かせるため
猫は爪とぎをすることで、気持ちを落ち着かせたり、ストレスを発散したりすることがあります。
爪とぎは猫にとって自然な行動なので、家具などで研いだからといって爪とぎそのものを無理にやめさせるのではなく、猫が安心して爪を研げる場所を用意することが大切です。
⑤自分の存在を示すため
猫が爪とぎをすると、その場所には目に見える爪痕が残ります。
さらに、においによるマーキングも組み合わさることで、自分がその場所にいることを周囲に示す役割があると考えられています。
特に目立つ場所や猫がよく通る場所で爪を研ぐ場合は、単に素材が気に入っているだけでなく、こうしたマーキング行動が関係している可能性もあります。
このように、猫の爪とぎには爪のお手入れだけでなく、マーキングやストレス発散など複数の理由があります。爪とぎを完全にやめさせようとするのではなく、猫が爪を研ぎやすい場所を用意してあげましょう。
猫の爪とぎはどこに置く?おすすめの置き場所4つ
猫用の爪とぎを用意しても、どこに置けばいいのか迷う方もいるのではないでしょうか。
爪とぎは、ただ空いている場所に置くのではなく、猫が普段どこで過ごしているのか、どこで爪を研いでいるのかを観察しながら設置場所を考えることが大切です。
すべての猫に共通する絶対的な置き場所があるわけではないため、まずは次の4つを候補にしてみましょう。
①猫が普段よく過ごす場所
まず候補にしたいのが、猫が普段よく過ごしている場所です。
リビングや猫のお気に入りの部屋など、普段から過ごすことが多い場所なら、猫が爪とぎを使いやすくなります。
我が家でも、キャットタワー以外の爪とぎは、猫たちが普段よくいる場所を見ながら設置場所を決めました。
「どの部屋に置けばいいのだろう」と迷ったときは、まず愛猫が普段どこで過ごしていることが多いか観察してみましょう。
②猫がすでに爪とぎをしている場所の近く
壁や家具、畳など特定の場所で爪を研いでいる場合は、その近くに猫用の爪とぎを置いてみる方法があります。
猫がその場所を選んでいるのには、場所だけでなく、素材や爪を研ぐときの姿勢などが関係している可能性があります。
そのため、単に爪とぎを近くに置くだけではなく、猫が縦方向と横方向のどちらで研いでいるのか、どのような素材を好んでいるのかも一緒に観察してみましょう。
猫が使ってくれない場合は、置き場所や爪とぎの種類を変えながら、その猫に合った環境を探していきます。
③寝床やくつろぐ場所の近く
猫は寝起きに体を伸ばし、その流れで爪とぎをすることがあります。
そのため、猫が普段寝ている場所や、よくくつろいでいる場所の近くも爪とぎの設置場所の候補になります。
ただし、猫が落ち着いて休んでいる場所を邪魔するように置く必要はありません。
猫の移動を妨げず、起きたあとに自然に使える位置があるか確認してみましょう。
④猫がよく通る場所
猫が毎日のように通る場所も、爪とぎを置く候補のひとつです。
猫の爪とぎには爪のお手入れだけでなく、爪痕やにおいを残すマーキングの意味もあります。
猫がよく通る場所や生活の中で目につきやすい場所に設置すると、爪とぎを使うきっかけになることがあります。
ただし、人や猫の通り道をふさいだり、爪とぎが倒れたりする置き方は避け、安全に使える場所を選びましょう。
爪とぎの置き場所は、一度決めたら変えてはいけないものではありません。猫があまり使わない場合は、普段の行動を観察しながら場所を調整してみましょう。
猫の爪とぎを選ぶときに確認したい3つのポイント
猫用の爪とぎには、段ボールや麻などさまざまな素材があり、形も縦型・横型など種類があります。
どれを選べばいいか迷ったときは、見た目や価格だけで決めるのではなく、愛猫が普段どのように爪を研いでいるか観察してみましょう。
特に確認したいのが、素材・爪を研ぐ姿勢・大きさと安定性の3つです。
①段ボールや麻など好みの素材
猫用の爪とぎには、段ボールや麻などさまざまな素材があります。
猫によって好みが異なるため、「この素材なら必ず使ってくれる」とは限りません。段ボールを好む猫もいれば、麻のような繊維系の素材をよく使う猫もいます。
どの素材が合っているか分からない場合は、種類の違う爪とぎを試し、愛猫がどれをよく使っているか観察してみるのもひとつの方法です。
我が家では、キャットタワーとトイレ横に麻布系、脱衣所に段ボールタイプの爪とぎを置いています。3匹とも設置した爪とぎを使っており、今のところ特定の素材だけを好んでいる様子はありません。
②縦型・横型など爪を研ぐ姿勢
爪とぎを選ぶときは、素材だけでなく、猫がどのような姿勢で爪を研いでいるかも確認してみましょう。
立ち上がって前足を伸ばしながら研ぐ猫には縦型、床やカーペットなどで研ぐ猫には横型の爪とぎが使いやすい場合があります。
家具など猫用の爪とぎ以外の場所で研いでいる場合も、そのときの姿勢が爪とぎ選びのヒントになります。
たとえば、縦方向の家具でよく爪を研いでいるなら、十分な高さがある縦型を試すなど、普段の行動に近いタイプから試してみるとよいでしょう。
③体を伸ばせる大きさと安定性
爪とぎは、猫が使ったときに大きく動いたり倒れたりしないことも重要です。
せっかく好みの素材でも、爪を研ぐたびに本体が動いてしまうと、猫が使いにくく感じることがあります。
特に縦型の場合は、猫が前足を伸ばして爪を研げる高さがあるか、力をかけても倒れにくいかを確認しましょう。
横型の場合も、猫が無理な姿勢にならずに使える大きさがあり、爪を研いでいる途中で簡単にずれないものが使いやすくなります。
猫の体格もそれぞれ異なるため、愛猫が自然な姿勢で使えるサイズを選ぶことが大切です。
爪とぎは、素材だけで選ぶのではなく、「どんな素材で・どんな姿勢で・どのくらい体を伸ばして研いでいるか」を観察すると、愛猫に合ったものを見つけやすくなります。
我が家では3か所に爪とぎを設置
我が家では、3匹の猫「たま・とび・むた」と暮らしており、現在は家の中に3か所の爪とぎを設置しています。
設置しているのは、キャットタワー・トイレ横・脱衣所の3か所です。
3匹いるから1匹につき1個と決めて3か所にしているわけではありません。キャットタワーにはもともと爪とぎが付いており、それ以外は猫たちが普段よくいる場所を考えて設置しています。
ここでは、我が家で使っている爪とぎの種類や設置場所について紹介します。
キャットタワーとトイレ横には麻布系の爪とぎ
キャットタワーには、もともと麻布系の爪とぎが付いていました。
キャットタワーは猫たちが普段から使う場所なので、遊んだり過ごしたりする中で、そのまま爪を研ぐことができます。
もうひとつ麻布系の爪とぎを置いているのが、トイレ横です。
トイレ横については、「猫の爪とぎはここに置かなければいけない」と考えて決めたわけではなく、猫たちがよくいる場所だったことから設置しました。
脱衣所には段ボールタイプの爪とぎ
脱衣所には、段ボールタイプの爪とぎを置いています。
ここも猫たちが普段よくいる場所のひとつだったため、爪とぎを設置しました。
我が家では麻布系だけに統一せず、段ボールタイプも使っています。
素材が違う爪とぎを置いておくことで、猫たちがそのとき使いたい場所や爪とぎを選べるようにしています。
3匹とも用意した爪とぎを使っている
現在、たま・とび・むたの3匹とも、家に設置している爪とぎを使っています。
「麻布系しか使わない」「段ボールしか使わない」といったはっきりした好みは、今のところ特に感じていません。
そのため我が家では、猫ごとに爪とぎを完全に分けるのではなく、3匹が使える場所として設置しています。
ただし、3匹とも用意した爪とぎだけで爪を研いでいるわけではありません。
実際には、それぞれ猫用の爪とぎとは別のお気に入りの場所でも爪を研いでいます。
爪とぎを置いても別の場所で研ぐ?我が家の3匹の場合
「猫用の爪とぎを用意すれば、家具や家の中では爪を研がなくなる」と考える方もいるかもしれません。
しかし、我が家の3匹を見ていると、必ずしもそうとは限らないようです。
たま・とび・むたは、3匹とも家に設置している爪とぎを使っています。それでも、それぞれ猫用の爪とぎとは違う場所でも爪を研ぎます。
ここでは、実際に3匹がどのような場所で爪とぎをしているのか紹介します。
たまは畳とリビングの境目にあるサッシ付近
たまは、用意している爪とぎだけでなく、畳とリビングの境目にあるサッシ付近でも爪とぎをします。
猫用として用意した場所ではありませんが、たまにとっては爪を研ぎたくなる場所のひとつになっているようです。
なぜこの場所を選んでいるのか、はっきりした理由までは分かりません。
ただ、「猫用の爪とぎを使っているから、それ以外の場所では絶対に爪を研がない」というわけではないことを、たまを見ていると感じます。
とびは私のズボンの上
とびの場合は少し変わっていて、私が履いているズボンの上で爪とぎをすることがあります。
猫用の爪とぎとは素材も場所も違いますが、とびにとっては爪を引っかけやすかったり、爪を研ぎたくなったりする何かがあるのかもしれません。
ただし、これも理由を特定できているわけではありません。
猫が爪とぎ以外の場所で研いでいるときは、「なぜそんなところでするの?」と考えるだけでなく、どのような素材や姿勢で研いでいるのか観察してみると、爪とぎを選ぶときのヒントになることがあります。
むたは座椅子の背面
むたは、座椅子の背面で爪とぎをすることがあります。
座椅子の背面は縦方向に爪を研ぎやすいため、むたがその姿勢を気に入っている可能性も考えられます。
ただし、「むたは縦型の爪とぎが好き」とまでは断定できません。
実際に猫が家具などで爪を研いでいる場合は、場所だけを見るのではなく、縦方向・横方向のどちらで研いでいるのか、どのくらい体を伸ばしているのかなども確認してみるとよいでしょう。
我が家のように、用意した爪とぎをきちんと使っていても、別の場所で爪を研ぐことはあります。
そのため、猫用の爪とぎ以外で研いだからといって、すぐに「爪とぎが気に入らない」と判断するのではなく、猫がどこで、どのように爪を研いでいるのかを観察することが大切だと感じています。
家具などで爪とぎをするときに試したい4つの対策
猫用の爪とぎを用意していても、ソファや壁、畳など、飼い主にとって爪を研いでほしくない場所で爪とぎをすることがあります。
このような場合は、爪とぎをするたびに叱るのではなく、「なぜこの場所で爪を研ぐのか」を考えながら環境を調整してみましょう。
場所だけでなく、素材や爪を研ぐときの姿勢、爪とぎの安定性などが関係している可能性もあります。
家具などでの爪とぎに困っている場合は、次の4つの対策を試してみましょう。
①爪を研いでいる場所の近くに爪とぎを置く
猫がいつも同じ家具や壁などで爪を研いでいる場合は、その場所の近くに猫用の爪とぎを置いてみましょう。
猫がすでに爪とぎをしている場所には、その猫がその場所を選ぶ何らかの理由がある可能性があります。
お気に入りの場所から離れたところに爪とぎを置くだけでは使ってくれない場合でも、普段爪を研いでいる場所の近くなら使うことがあります。
爪とぎを使うようになったら、猫の様子を見ながら設置場所を調整していきましょう。
②似た素材や向きの爪とぎを試す
場所を変えても家具などで爪を研ぐ場合は、その場所の素材や爪を研ぐ姿勢にも注目してみましょう。
たとえば、布製の家具でよく爪を研ぐ猫なら繊維系の爪とぎを試したり、立ち上がって壁や家具で研ぐ猫なら縦型の爪とぎを試したりする方法があります。
反対に、床やカーペットなどで爪を研ぐことが多い場合は、横置きできるタイプが使いやすい可能性があります。
猫によって好みは異なるため、ひとつの種類にこだわらず、実際の爪とぎの様子を見ながら選んでみましょう。
③爪とぎが動かないように安定させる
爪とぎを使ったときに本体が大きく動いたり倒れたりすると、猫にとって使いにくくなることがあります。
特に猫は爪を引っかけて力を加えるため、縦型なら倒れにくいか、横型なら床の上で大きくずれないかを確認しましょう。
設置した直後は、実際に猫が使っている様子を確認しておくと安心です。
爪とぎ本体だけでなく、周囲の家具などが倒れたり物が落ちたりしないかも一緒に確認しておきましょう。
④傷つけたくない場所を保護する
爪とぎを別に用意しても、猫がすぐに家具などで爪を研がなくなるとは限りません。
傷つけられると困る場所については、猫が爪を研ぎやすい環境を別に用意すると同時に、保護シートやカバーなどで守る方法もあります。
特にソファや壁など、同じ場所を繰り返し使っている場合は、猫が爪を研げないようにするだけではなく、その近くに代わりとなる爪とぎを用意するとよいでしょう。
猫にとって爪とぎは自然な行動です。「爪とぎをさせない」ことを目標にするのではなく、「爪を研いでも困らない場所へ誘導する」という考え方で環境を整えていきましょう。
まとめ|爪とぎの理由を知って猫に合った環境を整えよう
猫の爪とぎには、古くなった爪の外側を取り除くだけでなく、マーキングやストレッチなど、さまざまな意味があります。
猫にとって爪とぎは自然な行動なので、完全にやめさせようとするのではなく、安心して爪を研げる環境を整えてあげることが大切です。
爪とぎを用意するときは、猫が普段よく過ごしている場所や、実際に爪を研いでいる場所を観察してみましょう。さらに、段ボールや麻などの素材、縦型・横型といった爪を研ぐ姿勢、使ったときの安定性も確認します。
我が家では、キャットタワー・トイレ横・脱衣所の3か所に爪とぎを設置しています。たま・とび・むたの3匹とも用意した爪とぎを使っていますが、それ以外の場所でも爪を研いでいます。
猫用の爪とぎを使っているからといって、家具などでまったく爪を研がなくなるとは限りません。
困った場所で爪とぎをする場合は、その場所の近くに爪とぎを置いたり、似た素材や向きのものを試したり、傷つけたくない場所を保護したりしながら対策してみましょう。
大切なのは、猫が実際に「どこで・どんな姿勢で・どんな素材に」爪を研いでいるのかを見ることです。
愛猫の行動を観察しながら、その猫に合った爪とぎと置き場所を少しずつ見つけていきましょう。


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